空気調和・衛生工学会 九州支部

TopPage

R2年度

R1年度

平成31年度

平成30年度

平成29年度

平成28年度

平成27年度

平成26年度

平成25年度

平成24年度

平成22年度

平成21年度

平成20年度

平成19年度

平成18年度

平成17年度

平成16年度

平成15年度

受賞実績一覧

九州支部での受賞実績

ショッピングセンターにおける熱源システム

氷蓄熱、高効率インバータターボ冷凍機併用の熱源システム構築と熱源コントローラーの開発

開発・研究: 九州電力(株)
開発・研究・製作:(株)九電工

 本業績は、経済運転を実現するための熱源コントローラーを開発するとともに、氷蓄熱システムとインバータターボ冷凍機の組合せたショッピングセンターの熱源に適用し、それらの最適運転によりランニングコストの低減化を図ったものである。
本業績の主たる評価点は、以下のとおりである。

  1. インバータターボ冷凍機(冷却能力645Rt)1台、ブラインターボ冷凍機(定速型、冷却能力500Rt、製氷能力375Rt)1台、氷蓄熱槽(3200Rth)を組み合わせた蓄熱・高効率インバータターボ冷凍機併用の熱源システムを構築した。氷蓄熱システムではブライン循環による内融式蓄熱槽を採用し、インバータターボ冷凍機と放熱用熱交換器を直列に接続して冷凍機の出口温度を上げ、冷凍機の高効率運転を実現している。
  2. 従来の熱源台数制御は熱源機の発停だけを行うものであり、部分負荷運転を制御できなかった。そこで、部分負荷時の経済運転を行うための熱源コントローラーを開発・適用した。本コントローラーは熱負荷の状況に応じて熱単価基準で運転機器を選択するもので、インバータターボ冷凍機運転時には冷凍機出口温度を基に冷凍機の部分負荷運転を制御している。また、各熱源機のCOPの監視・管理機能も有し、各機器の効率低下に起因する損失コストの低減を図っている。
  3. 熱源システムの経済性に関しては、予め、補機まで含めた年間・毎時の熱製造単価を求め、経済運転方法の検討を行い本熱源併用システムの導入を行っている。この結果によれば、「氷蓄熱、高効率インバータターボ併用方式」と「高効率インバータターボのみによる一般電気空調(蓄熱なし)方式」の経済比較において、後者の資本費を含む年経費の合計100に対し、前者の併用方式の最適運用を図ることで、電化空調割引を適用し96となり、4%上回る結果を得ている。
  4. 「氷蓄熱、高効率インバータターボ冷凍機併用システム」と「熱源コントローラー」を導入したショッピングセンターの平成17年夏季と中間期の運転実績によれば、夏季ピーク負荷は1260RTで計画熱負荷に近い値となっている。また、中間期において熱負荷が600RT~700RT程度のとき、インバータターボ冷凍機は450RT~500RTで運転されており、意図した運転が達成できている。また、COPの実績は夏季においてインバータターボ6.0~6.5、ブラインターボ4.5前後で、システム全体のシステムCOPは3.5程度となっている。中間期においては冷却水温度の低下に伴い、インバータターボ冷凍機のCOPは向上し6.5~7.5、システムCOPは4.0前後で推移している。

 本業績では、新開発の熱源コントローラーを氷蓄熱システムとインバータターボ冷凍機を組み合わせた熱源を有するショッピングセンターに適用した結果より、その有効性を検証した。また、熱源コントローラーによる最適な負荷配分や「電化空調割引料金体系」の活用によりランニングコストが低減できること、当該の熱源併用方式であれば氷蓄熱システム単体では不得手とする商業施設の24時間営業に対しても対応可能であること、また、氷蓄熱の放熱運転を冬季冷房低負荷へ主体的に利用することで、冷凍機のハンチング防止にも有効であることなどの一定の有用な知見を提供した。

 よって、本業績は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。

Pagetop