R4年度

- 嘉麻市庁舎の環境設備計画
- サンエー浦添西海岸PARCO CITY-沖縄の地域性を活かした先導的省CO2技術を活用した商業施設-
- 熊本桜町再開発地下水都市熊本における大規模かつ持続可能な地下水利用熱源の計画と実施
- 博多駅南RビルにおけるZEB改修効果の評価・検証
R2年度

R1年度

平成31年度

平成30年度

平成29年度

平成28年度

平成27年度

平成26年度

平成25年度

平成24年度

平成22年度

平成21年度

平成20年度

佐賀県医療センター好生館
佐賀県医療センター好生館
設計・監理・検証 : 株式会社 日建設計
施主 : 地方独立行政法人 佐賀県医療センター好生館
検証・評価 : 小島 昌一
検証協力 : 高砂熱学工業 株式会社 九州支店
本業績は、佐賀県唯一の県立病院として150年の歴史を持つ450床の総合病院であり、旧病院の老朽化、狭隘化により移転・新築、2013年5月に開院した施設であり、国土交通省の「平成22年度住宅・建築物省CO2先導事業」に採択されている。また、「基幹災害拠点病院」として、免震構造、屋上ヘリポート等を備え、災害時には入院2倍、外来5倍の患者受入れが可能である。
本業績の主たる評価点は、以下のとおりである。
- 床下の免震層を利用したクールピットによる取入外気の予冷・予熱、低層部屋上には太陽光発電パネルと屋上庭園を配置、窓にはLow-Eガラスを採用するなど、建築計画と一体となった省エネ・省CO2に取り組んでいる。
- エネルギー消費量の多い総合病院で、災害時の医療機能拠点でもあるため、電気、ガス、重油のベストミックス熱源を計画している。冷房時は温度成層型冷水蓄熱槽に定速ターボ冷凍機で夜間に蓄冷して昼間の電力デマンドを抑制、ガス熱源の吸収式冷温水発生機も併用する。蒸気(滅菌、加湿用)ボイーラーもガス焚きであるが、ガスインフラ途絶に備えて、重油切り替え対応である。大病院では給湯負荷が事務所ビル等に比べて大きいが、給湯用消費エネルギー削減のため、ヒートポンプ式給湯機によるセントラル給湯を採用している。
- 病室部の空調は外調機+4管式ファンコイルユニット(FCU)、診療部・事務部では単一ダクト空調機+レヒーターの組み合わせである。冷水の大温度差送水、冷水・温水二次ポンプの台数制御とインバーターによる変流量制御、大多数の空調機に変風量制御を採用するなど、省エネルギーや省CO2対策が施されている。
- 竣工後の徹底した性能検証とファインチューニングを実施している。BEMSに収録される運用データと設計図書や数値解析シミュレーション(LCEM)との対応により、空冷ヒートポンプチラーの温度センサ校正、冷水槽放熱ポンプの流量調整、冷水・温水2次ポンプ運転時間の平準化、冷凍機の凍結防止運転の制御方法の変更、人感センサ式FCUの設定温度変更などを行っている。また、建物運用に応じたファインチューニングとして、蓄熱運転方法の変更、ターボ冷凍機の冷却水設定温度変更、熱源運転順序の変更なども行っている。
- 上記の竣工後性能検証とファインチューニングについては、病院と一体となって組織した「省CO2会議」、「省CO2委員会」を通じて、病院の省エネ・省CO2に貢献している。その結果、年間一次エネルギー消費量原単位は1年目実績3,179MJ/ m2であったが、3年目実績では2,971MJ/ m2(約93%)となっている。
よって、本業績は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。
