R5年度
R4年度
- 嘉麻市庁舎の環境設備計画
- サンエー浦添西海岸PARCO CITY-沖縄の地域性を活かした先導的省CO2技術を活用した商業施設-
- 熊本桜町再開発地下水都市熊本における大規模かつ持続可能な地下水利用熱源の計画と実施
- 博多駅南RビルにおけるZEB改修効果の評価・検証
R2年度
R1年度
平成31年度
平成30年度
平成29年度
平成28年度
平成27年度
平成26年度
平成25年度
平成24年度
平成22年度
平成21年度
平成20年度
平成19年度
平成18年度
平成17年度
平成16年度
平成15年度
リバーウォーク北九州
リバーウォーク北九州における河川水活用熱供給システム
建築主:室町一丁目地区市街地再開発組合
建築主:北九州紫川開発株式会社
運営管理・分析評価:エフ・ジェイ都市開発株式会社
設計・監理・分析評価:株式会社日本設計
分析評価:九州電力株式会社
総合施工:前田建設工業株式会社
空調施工:高砂熱学工業株式会社 九州支店
本業績は、北九州市の都心部に市街地再開発事業として建設された大規模複合用途施設(地上16階、地下2階、延床面積162,473㎡、具体的用途:商業エリア、放送局、業務、劇場、シネマコンプレックス、駐車場等)の熱供給設備に関するものである。敷地は河川(紫川)に隣接しており、この敷地条件を活かして「河川水活用熱供給システム」を構築している。さらに、電力負荷の平準化、エリアごとに大きく異なる熱負荷への対応、放送局への信頼性の高い熱供給を可能とするために、電気・ガスの2熱源の採用や水蓄熱・氷蓄熱システムの導入、高度な中央監視(BMS等)等の導入を行っている。
本業績の主たる評価点は、次のとおりである。
- 未利用エネルギーである河川水を熱源として活用し、熱源機器の高効率化を図っている。取水位置が河口付近のため、プレート熱交換器はチタン製である。また、熱交換後の河川水は紫川との放流温度差を小さくするため、既存の滝設備へいったん放流するなどの工夫が見られる。河川水を熱源として製造した熱量が熱供給施設全体の製造熱量に占める割合(未利用エネルギー依存度)は冷熱で21%、温熱で56%である。この数字は、河川水取水ポンプの運転方法が完全に確立していない初年度の数字であり、2年目以降はさらに高い値が期待できる。
- 河川水熱源システムに加え、ブラインターボ冷凍機1基(ダイナミック型氷蓄熱用)、ガス焚熱回収型冷温水発生機2基が採用されており、エネルギー供給の信頼性確保や電力負荷の平準化に寄与している。また、各需要家に対して大温度差(7℃)で冷水・温水を供給することにより、搬送動力を低減している。
- 熱供給システムのエネルギー管理を積極的に運用改善策に結び付けている。例えば、竣工後のデータ分析・評価により、性能検証と運用改善提案(熱源機器の運用変更、冷温水槽と冷水槽の運用変更等)を行っている。
以上のように、本業績は、大規模複合用途施設の熱供給システムとして高い省エネルギー性と信頼性を確保しているだけでなく、さらに、データ分析・評価に基づく性能検証と運用改善も行っており、大型施設における熱供給システムの設計・施工およびエネルギー管理のよき事例として高く評価できる。
よって本業績は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。