R6年度

R5年度

R4年度

- 嘉麻市庁舎の環境設備計画
- サンエー浦添西海岸PARCO CITY-沖縄の地域性を活かした先導的省CO2技術を活用した商業施設-
- 熊本桜町再開発地下水都市熊本における大規模かつ持続可能な地下水利用熱源の計画と実施
- 博多駅南RビルにおけるZEB改修効果の評価・検証
R2年度

R1年度

平成31年度

平成30年度

平成29年度

平成28年度

平成27年度

平成26年度

平成25年度

平成24年度

平成22年度

平成21年度

平成20年度

正興電機製作所 古賀事業所 Eサイト 『ZEB』を実現した環境設備設計
正興電機製作所 古賀事業所 Eサイト 『ZEB』を実現した環境設備設計
設計・施工・検証 : ㈱竹中工務店
[推薦文]
本業績は、正興電機製作所の創立100周年記念事業として2021年8月に竣工した「Eサイト」に関するものである。次の100年を見据え、持続可能かつ創造性を支援する職場環境を実現している。地上3階建、延床面積約2,805㎡の本施設は、設計者約200名が働く拠点として、『ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)』を達成する高い環境性能と快適な室内環境を両立している。設計段階から先進技術を採用し、実測データに基づく運用改善を継続している。
計画段階で、建物の一次エネルギー消費量を基準値から115%削減する設計を行い、竣工後も2022年度に116%、2023年度に111%の削減を達成している。この実績は、計画と運用の両面における完成度を示すものであり、以下に挙げる主たる評価点とともに、本業績の意義を示す。
- 高度な省エネルギー技術の導入
建物外皮の断熱性能強化やLow-eガラスの採用で「負荷の抑制」を実現し、自然採光や自然換気の導入による「自然エネルギーの利用」を促進している。また、敷地内の太陽光発電パネル(合計195.8kW)を活用し、施設間での電力融通を可能にすることで、エネルギー効率を高めた。これらの取り組みにより、『ZEB』基準を超える省エネルギー性能を実現している。 - 革新的な空調システムの採用
潜顕分離空調方式を導入し、顕熱処理用高効率空調機とデシカント外気処理機の組み合わせにより、快適性と省エネルギーを両立している。特に「ヒートポンプ式リタンエアデシカント外気処理機」は、還気の予冷後にデシカントロータによる除湿を行い、再生熱源にヒートポンプの排熱を利用することで、省エネルギーと安定した湿度制御を実現している。 - ワークプレイス設計と快適性の向上
「ABWエリア」では放射空調とペリメーター空調を組み合わせ、固定席のある「グループ島エリア」ではタスクアンビエント空調を採用することで、多様な働き方に対応している。設計室中央のコラボレーションエリアは、設計者間の協働と創造性を促進する場として機能している。 - 先進的なエネルギーマネジメントと社会発信
オープンBEMSによる設備の統合管理と執務者による自席PCからの個別制御を実現し、利便性と省エネルギーを両立している。これらの環境・省エネルギー技術は、Eサイト内のモニタールームでリアルタイムに公開され、CASBEE SランクとBELS 5★の取得と併せて、先進的な環境配慮型施設のモデルケースとして広く社会へ発信されている。 - 実績に基づく持続可能な運用の信頼性
竣工後2年間の実測データにより、『ZEB』基準の達成が継続的に確認されている。特に空調・換気や照明における省エネルギー効果が顕著であり、アンケート調査からは、執務空間の快適性と業務効率の改善が報告されている。
以上の理由により、本業績は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認められる。
