空気調和・衛生工学会 九州支部

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九州支部での受賞実績

北九州市立医療センター

北九州市立医療センターESCO事業における省エネルギー改修の計画・設計・施工

計画・監理: 北九州市病院局
設計・施工: 高砂熱学工業(株)九州支店

 本業績は、竣工後15年が経過した総合病院(一般620床,感染症16床、地上9階、地下1階、延床面積48,273㎡)のESCO事業が対象である。既設設備の機器構成、劣化状況、改修コストを考慮しながら、高効率発電機及び高効率冷凍機の採用、インバータ制御の導入、熱源最適制御などによる多面的な省エネルギー改修を計画・設計し、病院機能に影響を与えることなく施工を完了したものである。
本業績の主たる評価点は、以下のとおりである。

  1. 従来の発電機を同容量の高効率発電機(400kW×2台)に更新することにより消費ガス量を削減し、熱回収効率の向上を図ったほか、既存ボイラの負荷削減にも寄与している。CGS総合効率は62.7%に達し、改修前より31%増加している。
  2. 冷熱源設備として、既存のガス吸収式冷温水機350RT×2台を撤去し、高効率ガス吸収式冷温水機150RT×2台と高効率電動式インバーターチラー150RT×2台を導入している。この高効率電動式チラーをベース機として台数制御を行い、ガス消費量を抑制している。これらの冷熱源設備を合わせた一次エネルギー消費量は改修前に比べ42.6%削減されている。
  3. 冷凍機冷却水ポンプの可変流量制御および冷温水二次ポンプ圧力可変制御によりポンプ動力の削減を図っている。改修後、冷却水ポンプ電力消費量は定流量ポンプに対し、夏季ピーク時で5割前後、冬季冷水供給時で3割程度である。冷温水二次ポンプは定流量ポンプに比べ年平均で3~4割の消費量である。
  4. 外気処理空調機のCO2制御および起動時間変更により、送風機の電力消費量を6割削減している。また、送風量削減に伴うコイル負荷の減少は冷凍機のガス消費量の削減にも繋がっている。
  5. 負荷予測、システム目標値制御、全体COP向上のための最適制御、熱需要に応じた最適制御、運用データの連続収集などを行う統合熱源コントローラを導入し、熱源最適制御による省エネルギーを実現している。
  6. 本事業は、総合病院のESCO事業において、熱源更新を中心とした省エネルギー手法を導入し,高い省エネルギー効果(一次エネルギー換算:31.2%削減)と大きな二酸化炭素排出量削減効果(33.4%削減)を実現したものである。

 本事業で得られた様々な知見は今後の省エネ手法の改善や他の施設での活用などさらなる展開が期待されている。

 よって、本業績は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。

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