空気調和・衛生工学会 九州支部

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九州支部での受賞実績

えがお本社ビルの空気調和システム ~省エネルギーコールセンターオフィスの実現~

えがお本社ビルの空気調和システム ~省エネルギーコールセンターオフィスの実現~

計画・設計・検証  : 株式会社 久米設計 九州支社
施工        : 株式会社 大林組 九州支店
施工・検証     : 株式会社 九電工

 本業績は、熊本市にあるS造(一部RC造)地上5階、地下1階、建築面積2,948m2、延床面積11,399m2の健康食品販売会社の本社ビルである。地下はスポーツジム+会議室+機械室、1階はエントランス・レセプションホール(一部は製品展示スペース)+会議室+託児所、2~3階は事務室+コールセンター、4階は事務室+社員食堂、5階は大部分が吹抜けである。事務室を含めたコールセンターは人員密度が高く(約0.26人/m2)、スタッフ1人当たりPCモニタ2台を使用し、情報共有のための80インチ大型モニタ6台も設置されており、OA機器発熱の大きなスペースである。

 本業績の主たる評価点は、以下のとおりである。

  1. 高人員密度に起因する高熱負荷が予想されるため、躯体外皮の熱負荷低減に留意している。窓にはLow-Eガラスを使用すると共に、東・南・西面にはハーフプレキャストバルコニーおよびアルミルーバを設置し、日射遮蔽による熱負荷の低減化を図っている。2、3階の西面は「自動応答型エアーフローウインドウ」としている。放射温度計によるガラス表面温度測定値により排気(環気)経路を切り替え、冷房期の放熱促進、暖房期の断熱性能向上を図っている。
  2. 空調用熱源は都市ガスと電気の併用である。ベースにガス焚吸収式冷温水発生器(352kW×2)、年間冷房対応として水冷モジュールチラー(513.9kW×1ユニット(3モジュール))を使用している。いずれの熱源機も1次ポンプ、冷却水ポンプともに変流量制御により搬送用動力の低減が図られている。なお、送水システムは年間冷房に対応するため、外気処理系統とFCU系統を除いて4管式となっており、大温度差送水、変流量制御である。人員密度の高いコールセンター・事務エリアは潜熱顕熱分離型空調を採用している。潜熱処理系統は室内二酸化炭素濃度による「最適外気量制御」、顕熱処理系統は設定室温による変風量制御である。潜熱処理系統と顕熱処理系統のダクトは分離されており、低負荷時における顕熱処理系統の給気ファン停止を含めた「VAV全閉」、顕熱処理系統での外気冷房も可能である。
  3. 1階エントランス・レセプションホール系統の外気取入はアースチュ-ブによる予冷・予熱を行うが、一般外気導入系統との切り替えが可能である。また、前述の潜熱処理系統では、外気導入を利用した「アクティブナイトパージ」も実施できる。屋上には太陽光発電パネルを設置するなど、自然エネルギー利用にも積極的である。
  4. 平成27年度の年間一次エネルギー消費量原単位は1,374MJ/m2であり、これは九州地域の同規模事務所ビルの平均値2,000MJ/m2の約69%である。

よって、本業績は空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞に値するものと認める。

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